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ようやく新しい生活に慣れて来たかな、というところです。少し時間が出来るとびおらを奏きます。もう少し時間があると絵やブログに回せるのですけど・・・なんとかならんかなぁ。  by 村尾 素

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びおらのCD
ヴィオラの奏でる無言の鎮魂歌
びおらを始めなければたぶん、ヒンデミットは自分にとって遠い作曲家のままだったでしょう。びおらを学んで、びおらのことをもっとよく知りたくてCDを聴くようになって、その中の一枚に収められていた曲「Trauermusik」で自分はヒンデミットと出会いました。

「Trauermusik」は「葬送音楽」と訳されるようです。1936年1月21日の英王ジョージⅤ世の崩御に際して、当時ロンドンにいた作曲家によって作られました。短い四つの楽章から成り立ち、独奏ヴィオラと弦楽オーケストラという編成で演奏されるこの曲は、以来ヴィオラの主要なレパートリーのひとつです。

独奏ヴィオラと弦楽オーケストラという組み合わせからヴィオラ協奏曲がイメージされますけれど、これはちょっと違うように思います。協奏曲は独奏者のヴィルトゥオージティ・・・名人芸が中心になっているようなところがあるのですが、この曲の場合、オーケストラの奏でる情景のなかから、独奏ヴィオラの旋律が立ちのぼって来るような感じです。あたかも歌を歌っているように。

ヴィオラの音域がひとの声域と似通っているため、殊にそういう印象を強く受けるのかもしれません。でも、このCDのMoogさんのヴィオラはほんとうに、詩の無い歌を歌っているよう。まっすぐで豊かで強く、それでいて悲哀に満ちていて品格が高い、大好きなヴィオラです。

Rainer Moogさんは、ベルリンフィルのSolo-Bratschistを務めた方です。このCDには他にTelemann と Hummel の古典的なレパートリーも入っていますけれど、むしろ自分はこのHindemithとPartos、Schnittkeの現代曲の方が気に入っています。

(Music for Viola and Orchestra Vol.1/Rainer Moog/1996/ARTE NOVA)
by muraom | 2005-02-07 00:56 | 音楽雑記
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